1935年11月11日、奄美・加計呂麻(カケロマ)島・花富生まれ。
奄美諸島で古くから唄い継がれてきた奄美島唄の唄者(ウタシャ)。
島唄の研究に情熱を傾けた父・辰恕 (たつじょ)の影響を受け、また、不世出の唄者と謳われる福島幸義に師事し、10代にして天才唄者といわれた天性の素質を磨きかける。千年、あるいはそれ 以上前から唄われてきたともいわれる奄美島唄の伝統を守り、その魂を揺さぶる声、深い言霊は、世代や人種を超えて多くの人々に感動を届けている。
ニューヨーク・カーネギーホール、ロサンゼルス、キューバなどの海外公演、国内では国立劇場10年連続公演等、数々の大舞台を踏んできたが、1997年に 発表した初のピアノ(高橋全)と奄美島唄のコラボレーションCD「海美(あまみ)」が、ラジオで細野晴臣氏により紹介され「朝崎郁恵」は世に広く注目を浴 びることとなる。
2002年、「うたばうたゆん(ユニバーサルミュージック)」67歳でメジャーデビュー。
以降 「うたあしぃび(同)」「おぼくり(EMIミュージック)」「シマユムタ(テレビ東京ミュージック/ポリスター)」「おぼくり~ええうみ(ユニバー サルミュージック)」など作品を次々に発表、「朝崎郁恵」をリスペクトするNHK大河ドラマ「篤姫」の音楽を担当した吉俣良、坂本龍一、UA、ゴンチチ、 上妻宏光、姫神など数多くのアーティストと共演してきた。
2009年、NHK大河ドラマ「篤姫」劇中曲(作曲:吉俣良)に、初の標準日本語をのせた「阿母(あんま)」(作詞:UA)をフィーチャーしたマキシアルバムを発表。
2010年、「13人のグランドマザー」第8回 世界会議に参加。
2011年4月より放送中の、NHK BSプレミアム番組「新日本風土記」のテーマ曲「あはがり」を唄う。
また、南海日日新聞社から「ピアノと島唄のコラボレーションという新しい手法で島唄を知らない人々にも唄の深みと『奄美』を広めた」功績により第35回南海文化賞を贈られる。
2012年、シングルCD「あはがり(テイチクエンタテイメント)」、CD「かなしゃ 愛のうた(花富レコード)」をリリース。
2014年 「よいすら」のリミックスバージョンを新レーベル『Volkuta~にほんのうた』の第一弾シングルとして12インチアナログフォーマットでリリース。
2016年 文化庁の『危機的な状況にある言語・方言サミット(奄美大会)・与論』で基調講演。
2017年公開の映画「海辺の生と死」で、主演の満島ひかりに歌唱指導。
ピアノのみならず様々な民族楽器、ミュージシャンとのコラボレーションで島唄を唄い、奄美島唄と自身の可能性を広げ、その世界を深め続けている。現在は2017年12月を皮切りに生まれ育った「奄美」への恩返し公演をシリーズ展開中。